最近は論理的に考えることをよしとする言説がマスの間で流行っている。
論理的に考えると言うことは、論理に従えば、その論理が間違っていない限り、その論理から導き出される答えは限定される。
だから簡単で便利と、世界にあるすべてのものは論理でわかると思っているような人たちに最近会うようになった。
はいかいいえで答えてください
と言われて、全てのことがハイかイイエの
どちらかにきっちり収まるわけではないことを
知らないような口調の人も見かける。
灰色を見て、黒か白のどちらですか
と聞かれた時にどう答えるのか。
灰色にも黒寄りの灰色から白寄りの灰色まで
グラデーションになっている。
どこからが黒でどこからが白か、
定義によるが、実際はそのどちらでもないことの方が多いように思う。
論理信仰というドグマから抜け出さない限り、
人間による人工的世界の範囲に留まる事になる。
論理的に説明して相手が論理的に理解したとしても、それがすぐできるとは限らない。
その証拠に英語を勉強しているのに、英語を使えない人がたくさんいる。
自転車の乗り方を説明されて理解したら、
すぐに乗りこなせるわけではない。
ラッセルのように数学のプロでありながら、
ノーベル文学賞を受賞されるようなバランス
は参考になるかもしれない。
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